事例紹介
Case StudySDGsのバックキャスティングを実現する「シナリオプランニング」
課題/ニーズ
多くの企業の中期経営計画について、結局は現状の延長上での次の数年をどうしていくかといった考えになってしまっているが、世の中の変化に対応するためにどう考えていけばよいか
ビジネスの新潮流であるSDGs。
世界の変革を掲げたSDGsを実現していくために重要なアプローチがバックキャスティングです。
現状の延長でよりよくしていくというフォアキャスティングで考えてしまうと、予算の制約や既存の様々な制約に思考の幅は狭まり、社会の大きな変化よりも自社の事情を優先してしまい、結果としてこれからの変化に適応できなくなっていきます。
ただし、多くの企業では中期経営計画を掲げて、次の数年をどうしていくかといった戦略立案が多く、バックキャスティングで戦略を考えるといっても、結局は現状の延長上の議論になっているケースが多く見受けられます。
そこで現在注目されているのがシナリオプランニングです。
自社を取り巻く経営環境変化の兆候を、様々な情報から捉え、長期的な視点から起こりうる未来の可能性を洞察したうえで、その未来の可能性から現時点を見てバックキャスティングで戦略を描く手法になります。
また、参加者自らが未来を洞察し、自社にとって何が重要かを自ら見いだすことで、その後の変革アクションにコミットメントが生まれやすいのもこの手法のメリットになります。
一方で、シナリオプランニングを取り入れている研修でよく見られる失敗が、自社にとって望ましい未来や輝かしい未来だけを表現して現在やりたいことの延長上のつじつま合わせをしていたり、もしくは描き出された未来像が絵空事で「それでどうするのか?」と、現状の経営戦略に反映されることのない他人事のシナリオが生まれることも見受けられます。
これは自社にとってよくない事象が起きる確率を過小評価する楽観主義バイアスが働き、様々な情報の検知不足を引き起こしてしまいます。
したがって、シナリオプランニングを取り入れる際は、業界やプランニングするテーマの範囲、どこまで先の未来を見通すのか、そして何よりもシナリオプランニングでそもそも何を得たいのか(どう活かしたいのか)を明確することが何よりも重要です。
こうした点を留意して、シナリオプランニングを実効的に取り入れ、未来を創造していきましょう。