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2023.07.10ページが新しくなりました!

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【コラム】データサイエンティストの心得その16「心理的安全性もデータから誕生した」

「心理的安全性」とはメンバーがチームに対して気兼ねなく発言できる、
自然体でいられる環境や雰囲気を指し、現在、話題になっています。
書店に行くと、多くの心理的安全性の本が並んでいますね。

心理的安全性は、エイミー・エドモンドソンが最初に提唱しました。
実は心理的安全性もデータが根拠になっていることを皆さんはご存じでしょうか?

エドモンドソンは医療現場における心理的安全性と医療ミスの報告、
実際に発生していたミスとの関連性を研究しました。
いわゆる報連相はあらゆる組織に必要なことですが、
医療現場で報連相を怠ると患者の命につながりかねません。

9つの病院でフィールドリサーチを行った結果、
心理的安全性が高い病院では医療ミスの報告が多い傾向にありました。
心理的安全性が高い病院では気がゆるんで、ミスが多くなるのでしょうか?
ところがそうではなく、報告は多いが、実際のミスは少なかったのです。

逆に、心理的安全性が低い病院では報告が少ない傾向にありました。
しかし、実際のミスは心理的安全性が高い病院よりも多く発生していたのです。

出典:Antia Tucker, Amy Edmondson(2003). Why Hospitals Don't Learn from Failures:
Organizational and Psychological Dynamics that Inhibit System Change.
California Management Review,45(2),55-72.

心理的安全性が高い職場では、恐れずにミスを報告し、
ミスから学ぼうとするため、ミスが少なくなること。
心理的安全性が低い職場では、ミスを隠そうとするため、
ミスから学ぶことができず、将来のミスが防げなくなること。
エドモンドソンをはじめとした研究者たちはこれを見事に証明しました。

心理的安全性は根拠もなく主張されているわけではなく、
数多くの研究で得られたデータから科学的に主張されています。
2010年代に入ってからは有名企業でも心理的安全性に関する研究が行われ、
その有効性が確認されて一躍有名となり、ようやく日本にも広がりつつあります。

このように、心理的安全性も実証的なデータが背景にあります。
組織、ひいては社会を大きく変えるきっかけになるのがデータによる実証です。
これからも様々な研究がなされ、心理的安全性のように新しい考え方が誕生し、
社会をより良くしていくだろうと私は確信しています。
これからデータによって、さらに世界が発展していくのが楽しみです。


※本記事は2022年10月19日現在の情報です。
  

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