2024.06.11
2024.06.11
プロジェクト管理の世界標準、PMBOK®とPMP®とは
- 文字で構成されています。
※この記事内容は
PMBOK®とは
PMBOK®(ピンボック)という用語をご存じでしょうか?
PMBOK®は、米国の非営利団体であるPMI(プロジェクトマネジメント協会)が、プロジェクトマネジメントの標準的な取り組みを体系化したものです。
Project Management Body of Knowledge(プロジェクトマネジメントの知識体系)の頭文字からなるPMBOK®は、その名のとおり、プロジェクト管理のノウハウや手法が体系的にまとめられた「プロジェクト管理の世界標準」として知られています。
PMBOK®第6版と第7版
プロジェクトマネジメントのノウハウ集といえるPMBOK®ですが、2021年には第7版が発表されています。第6版と比較して、考え方や構成が大きく変更されたため話題になりました。
第6版では、プロジェクトマネジメントの知識体系として「10の知識エリア」と「5つのプロセス」がまとめられており、QCD(Quality Cost Delivery、品質・費用・納期)といった重要な要素を適切に管理・進行させていくための実用的な内容でした。
第6版は「QCDの管理・進行」が中心(実用書的)
10の知識エリア
- 統合管理
- スコープ管理
- スケジュール管理
- コスト管理
- 品質管理
- リソース管理
- コミュニケーション管理
- リスク管理
- 調達管理
- ステークホルダー管理
5つのプロセス
- 立ち上げ
- 計画
- 実行
- コントロール
- 終結
第7版では、これが「12の原理・原則」と「8つのパフォーマンス領域」に再編成されています。プロジェクト進行の具体的なハウツーというより、プロジェクトに向き合う心構えと考え方の原則を示した「憲章」のような内容になったと言えます。
第7版は「プロジェクトに向き合う心構えと考え方」が中心(憲章的)
12の原理・原則
- スチュアードシップ
- チーム環境の構築
- ステークホルダーのかかわり
- 価値への焦点
- システム的な思考
- リーダーシップ
- テーラリング
- 品質
- 複雑さへの対処
- リスク対応の最適化
- 適応力と回復力
- 変革できること
8つのパフォーマンス領域
- ステークホルダー
- チーム
- 開発アプローチとライフサイクル
- 計画
- プロジェクト作業
- デリバリー
- 測定
- 不確かさ
多様化する環境の中で、システム開発の現場では伝統的なウォーターフォール型から、アジャイル型の開発手法が生まれました。そのような背景もあり、プロジェクト管理の考え方とともに、PMBOK®の内容も進化していると考えられます。
PMP®とは
PMP®とはProject Management Professionalの略で、「プロジェクト管理のプロとして専門知識を有していること」を証明する国際資格です。認定は米国のPMI(PMBOK®をまとめる非営利団体)が実施しています。※法的な資格、免許ではありません
PMP®資格を取得するための試験(PMP®試験)は、PMBOK®に基づき出題されます。また、一定のプロジェクトマネジメント実務経験やプログラム受講によって、PDU(Professional Development Unit)という「単位」を取得していることが受験の要件になります。
下表は、PMP®試験で出題される領域と割合です。
No | 領域 | テスト項目の割合 |
---|---|---|
1 | 人 | 42% |
2 | プロセス | 50% |
3 | ビジネス環境 | 8% |
合計 | 100% |
※参考:PMI本部Webサイト「PMP® 試験内容の概要(日本語版)」
(https://www.pmi.org/-/media/pmi/documents/public/pdf/certifications/pmp-examination-content-outline.pdf?v=8ffe0225-6347-4779-913f-f779a38f8d9c&sc_lang_temp=ja-JP)
領域1「人」では、課題の把握・チームビルディング・ステークホルダーとの交渉、領域2「プロセス」では、プロジェクトの進行管理やガバナンス、領域3「ビジネス環境」では、コンプライアンスや周囲に与える影響の検証といった項目が出題範囲となっています。
なお、PMP®は資格取得後も3年ごとに更新が必要で、その際には新たなPDU単位の取得が求められます。
プロジェクト管理を学ぶなら
PMBOK®とPMP®の解説はいかがでしたか?
インソースデジタルアカデミーでは、PMBOK®の考えに準拠しつつプロジェクトマネジメントを総合的に学べる「極意シリーズ研修」や、PMP®試験・資格更新の要件となるPDU対象の研修など、多数ご用意しています。
初級者から上級者向けまで幅広い研修ラインナップをご用意しておりますので、プロジェクトマネジメントのスキルアップにぜひお役立てください。
※本記事は2024年06月11日現在の情報です。
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