2023.06.27
2024.09.25
DX推進の指針「デジタルスキル標準」
- 文字で構成されています。
※この記事内容は
デジタルスキル標準とは?
DXを進めるために、企業はどんなスキルを持った人が必要なのでしょうか?
ビジネスパーソンは何の知識とスキルがあればよいのでしょうか?
その答えとして経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が共同で発表したのが「デジタルスキル標準」です。「デジタルスキル標準」を策定するに至った背景や、このDX時代においてどんなスキルや知識を持った人材が必要なのかを整理して公開しています。
企業にとってのDX人材育成・採用の指針となり、個人にとってもこれからどんな知識やスキルを身につければよいかを知るうえで参考になるように作られました。
デジタルスキル標準は、「DXリテラシー標準」「DX推進スキル標準」の2つで構成されています。すでに2022年3月に公開済みの「DXリテラシー標準 ver.1.0」を改訂し、新たに「DX推進スキル標準」を加える形で、「デジタルスキル標準 ver.1.0」として、同年12月に公開されました。
【2023年8月に一部改訂されました】
2023年8月「デジタルスキル標準 ver.1.1」が公開されました。生成AIの利用に必要となるマインド・スタンスや利用方法、リスクなどについての文言が追記されています。
改定内容の詳細はこちら(出典:IPA)
出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.1.1(修正箇所明示)」
このデジタルスキル標準が対象とするのは、デジタル技術を活用して競争力を向上させる企業等に所属する人材すべてです。
DXリテラシー標準がすべてのビジネスパーソンを対象としているのに対して、DX推進スキル標準は、企業や組織において専門性をもってDXを推進する人材を対象としています。
デジタルスキル標準策定の背景には、多くの日本企業のDXの取組みが遅れていること、その要因として、DX人材の不足が挙げられます。DX推進においてはDXの素養や専門性をもった人材が欠かせません。そのため、DX推進における人材の重要性を踏まえて策定されました。
DXリテラシー標準~個人として身につけるべき能力とスキル
「ビジネスパーソン一人ひとりがDXに関するリテラシーを身につけることで、DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになる」がDXリテラシー標準策定のねらいです。
そのために、個人として身につけるべき能力とスキルを定義しています。
●社会変化の中で新たな価値を生み出すために必要なマインド・スタンスを知り、自身の行動を振り返ることができる
●人々が重視する価値や社会・経済の環境がどのように変化しているか知っており、DXの重要性を理解している
●DX推進の手段としてのデータやデジタル技術に関する最新の情報を知ったうえで、その発展の背景への知識を深めることができる
●データ・デジタル技術の活用事例を理解し、その実現のための基本的なツールの活用方法を身につけたうえで、留意点などを踏まえて実際に業務で活用できる
そのために学ぶべき項目例として、社会・産業の変化に関するキーワード(Society5.0、データ駆動型社会 等)、データの分析手法(基礎的な確率・統計の知識)、AIやクラウド、ネットワークの仕組み、個人がとるべきセキュリティ対策、ツールの活用方法、ノーコード・ローコードツールの基礎知識などが、挙げられています。
DX推進スキル標準~DXを推進する人材を5つに分けて役割と必要なスキルを示す
DX推進スキル標準策定のねらいは、「DXを推進する人材の役割や習得すべき知識・スキルを示し、それらを育成の仕組みに結び付けることで、リスキリングの促進、実践的な学びの場の創出、能力・スキルの見える化を実現する」です。
DXを推進する人材として5つの職域を挙げて、それぞれの役割と必要となるスキルを定義しています。それが、「ビジネスアーキテクト」「デザイナー」「ソフトエンジニア」「サイバーセキュリティ」「データサイエンティスト」です。
出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.1.1(修正箇所明示)」
ビジネスアーキテクト
DXの取組み(新規事業開発/既存事業の高度化/社内業務の高度化・効率化)において、ビジネスや業務の変革を通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する人材
デザイナー
ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点等を総合的にとらえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを策定し、それらに 沿った製品・サービスのありかたのデザインを担う人材
データサイエンティスト
DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの 設計・実装・運用を担う人材
ソフトウェアエンジニア
DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材
サイバーセキュリティ
業務プロセスを支えるデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材
人材類型は、さらに詳細に区分され、DX推進において何を担うのか(ロール)が設定されています。
出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.1.1(修正箇所明示)」
それぞれの役割に必要となスキルを表した「スキルマップ(.pdf)」はこちら
DX推進に必要な知識とスキルをどう学ぶか
企業や組織にとってどんなスキルを持った人材が必要かは、デジタルスキル標準が示しています。求められる役割についても、必要なスキルが分解されて明確になりました。
それを身につけていく場合に重要なことは、「自分にあった学び方をどう選択するか」です。
インソースとインソースデジタルアカデミーは、デジタルスキル標準で定義された知識やスキルを身につけるための様々な研修ラインナップをご用意しています。 初めて学ぶ方や未経験者向けの内容から、いくつものスキルを効率よく学べる研修、より専門的な中級・上級の内容まで、幅広い選択肢からお選びいただけます。
※本記事は2024年09月25日現在の情報です。
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