2023.12.06
2024.04.05
【事例あり】データが世の中を変える・ビジネスを変える
- 文字で構成されています。
※この記事内容は
今データサイエンスが熱い!
昨今の急速なIT技術の進化に伴って、ビッグデータを蓄積することが容易になりました。
この膨大なデータから意味のあるパターンや情報を引き出し、科学的根拠をもってビジネス上の課題を解決するデータサイエンスが大きな注目を浴びています。
データやIT技術を用いてビジネスを変革する「DX時代」においてデータサイエンスが果たす役割はますます大きくなっています。
その理由は、 データサイエンスを用いることで、これまでにない新たな発見や価値創出が可能にする からです。
2012年のハーバードビジネスレビューにおいて、「データサイエンティストが21世紀で最もセクシーな職業である」と語られ、爆発的に認知度が上がるきっかけとなりました。
現在のアメリカでは、データサイエンティストは高収入が得られる職業として挙げられています。
そして、企業はデータサイエンティストの手を借りて、データを徹底的に活用し、企業の競争力を高めようとしています。
近年、日本でもデータ活用の重要性が叫ばれており、データ分析に関わる人材の需要の高まりは、教育機関でもデータサイエンス学部の設置などにも表れています。
矢野総合研究所によれば、データ分析関連人材規模は2020年に82,430人だったのが、2023年は約1.5倍の123,400人になり、2025年では2倍以上の176,300人になると予測されています。
出典:矢野経済研究所(2023) 国内データ分析関連人材規模予測
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3309
そのため、データサイエンスはさまざまな業界で注目を集めています。
次に、データサイエンスによって新たなビジネスやサービスを創出した例を挙げていきます。
身近にあるビジネスでのデータ活用
ECサイト Amazon
Amazonは、データサイエンスを活用したビジネスモデルで成功を収めた代表的な企業です。
例えば、 顧客の購買履歴や閲覧履歴を分析することで、顧客が興味を持ちそうな商品をおすすめする機能を 提供しています。
この機能で、顧客の満足度を向上させ、売上を拡大することに成功しました。
同時に、商品の需要予測も行っております。
これにより、適切な在庫量を管理し、欠品や過剰在庫の防止につなげています。
動画サイト YouTube
YouTubeでは、データを活用して、ユーザーの行動や興味・関心を分析し、より快適で効果的な動画視聴サービスを提供しています。
例えば、動画の視聴履歴や検索履歴を分析して、ユーザーの興味や関心に合った動画をおすすめできます。
また、ユーザーの年齢や性別、興味・関心などを分析することで、ユーザーの興味や関心に合せた広告を表示しています。
動画を投稿するユーザーに対しては、視聴分析データを提供しています。
動画のどこの場面で視聴者が見るのをやめたのか、繰り返し再生されているのはどのシーンなのかに加え、おすすめ動画として表示された回数、そのサムネイルをクリック回数などから、ユーザーのニーズを把握することができます。
これにより、投稿者は動画の質を改善し、再生回数の増加・チャンネル登録者数の増加につなげることが可能になります。
WEB広告 LINE
LINEは、メッセージ送信や音声通話を無料で行えるコミュニケーションアプリです。ユーザーは友達や家族とメッセージのやり取りをしたり、ビデオ通話をすることができます。
LINEがWEB広告で行っているのは、 ユーザーデータの活用です。ユーザーにとって適切な広告を表示します。
ここで言うユーザーデータとは主に、閲覧履歴・属性・位置情報などを指します。
特定の地域に住んでいる人限定に、求人広告を出したり、50代女性で化粧品の閲覧履歴がある方に、化粧品の広告を出したりしています。
もし「このごろ興味のあるWEB広告が増えた」と感じていた方がいたとしたら、これが理由かもしれません。
データを活用することで、広告を表示するターゲットを絞ることができます。
商品に興味のないユーザーに広告を表示したり、購入の見込みの薄い人にまで広告を送らないですむことになり、表示回数やクリック数で広告費が加算されていく仕組みの場合、広告の出稿者にとってはメリットになります。
ターゲットを絞ることで、広告費を抑えつつ、購入する可能性の高い人に広告を表示することができるのです。
データが野球のあり方を変えた
このように見ていくとデータを重視して問題解決を図るのは最近のトレンドのようにも感じますが、それ以前から様々な領域でデータは活用され、大きな役割を果たしてきました。
次に、データが問題を解決し、世界を変えた事例を見ていきましょう。
データは時にスポーツのあり方を変えることもあります。
特に有名なのが野球を劇的に変えたMLB球団、オークランド・アスレチックスの事例です。
スポーツチームは、一般的にお金のあるチームが有利です。オークランド・アスレチックスはいわゆる「貧乏球団」でした。
年俸の高い選手の獲得を諦めざるをえなかったチームが行ったのは、徹底的にデータを重視することでした。 オークランド・アスレチックスが2000年代初頭に開始した、 この試合に勝つ確立を高めるアプローチは、セイバーメトリクス と呼ばれています。
オークランド・アスレチックスは過去の膨大なデータを分析して勝利に直結しやすい能力を抽出しました。
次に、能力が高いのに他球団では評価されていない選手を低コストで獲得する戦略を取るようにしたのです。
従来はスカウトが選手を見極めて選手を獲得していましたが、スカウトの眼力を重視せず、あくまでデータを根拠に優れた選手を発掘する手法は当時としては画期的なものでした。
※参考 セイバーメトリクスで重視する勝利に直結しやすい能力
野手:出塁率、長打率、1打席当たりに投げさせる球数など
投手:奪三振率、与四球率、被長打率など
セイバーメトリクスを取り入れたオークランド・アスレチックスはMLB屈指の強豪球団として勝ち続け、2002年には球団別年俸総額が全30球団中28位の低さであるにも関わらず 最高勝率を記録するなどデータが持つ可能性を野球界に知らしめました。
それから20年以上が経過し、現在のMLBではセイバーメトリクスを活用するのが常識になっています。
最後に
ビジネスをデジタルに移行することで、データはうまく活用すればビジネスをよりよくする無限の可能性を秘めています。
インソースデジタルアカデミーでは、データ活用や読み解きのための研修を多く提供しています。
まずデータの見方を学んで、一歩を踏み出してみませんか?
※本記事は2024年04月05日現在の情報です。
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