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2024.04.30

2024.10.18

無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう①~どんな機能で何ができる?

※この記事内容は

文字で構成されています。
無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう①~どんな機能で何ができる?

5/13、ChatGPTに大型アップデートあり

OpenAI社は2024年5月13日(米国時間)、ChatGPTとGPT-4に関するアップデートを発表しました。発表内容は大きく分けて以下の2つです。

  1. 無料版ユーザーに対する機能の大幅開放
    今まで無料版のChatGPTといえば、有料版と比べて使える機能はごく僅かでした。それが今回のアップデートにより、制限つきではあるものの、有料版でしか使えなかった「データ分析」など、使える機能が大幅に増えています。
  2. 最新モデル「GPT-4o」の登場
    最新言語モデルといえばGPT-4でしたが、今回のアップデートでさらに性能の高い最新モデル「GPT-4o(読み方はジーピーティーフォーオー)」が発表されました。「o」は英語で「すべての」を意味するomniの頭文字が使われており、その名のとおり、テキスト・音声・画像などの幅広い情報を組み合わせてリアルタイムに処理することができます。そして驚くことに、無料版ユーザーも制限つきでこの最新モデルを使うことができます。

いかがでしょうか。これまで有料版でしか使えなかった機能が、制限つきとはいえ無料版でも使えるようになりました。「ChatGPTを始めてみるなら、まさに今!」という状況ではないでしょうか。

本記事では、最新のアップデート情報をふまえて、無料版と有料版Plus※で使える機能をご紹介していきます。

無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう

連載記事①~どんな機能で何ができる? ★現在の記事
連載記事②~Plusへのアップグレード手順ご紹介
連載記事③~使用時の注意点5選

※ChatGPTの有料版プランには、個人向けの「Plus」の他に「Team」「Enterprise」があります。こちらは組織向けのプランとなりますので、本記事では割愛いたします

※本記事でご紹介する内容は、2024年7月時点の情報です。今後変更となる可能性がありますので、最新情報はOpenAI社の公式ウェブサイトをご確認ください

無料版と有料版で使える機能

無料版と有料版Plusで使える機能について、以下に簡単な比較表を用意しました。
また、先述のアップデートにより使える機能の範囲がどう変化したのかは、BEFOREとAFTERの表比較にてご確認いただけます。変化があった項目はピンク色にしています。

BEFORE(アップデート前)

ChatGPT ChatGPT Plus
費用 無料 有料(月額20米国ドル)
使用できる言語モデル GPT-3.5 GPT-3.5、GPT-4
画像・音声認識 ×
画像生成(DALL-E3) ×
高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis) ×
最新情報の回答(Browse with Bing) ×
カスタマイズ版ChatGPTの作成と使用(GPT Builder) ×
パーソナライズされた応答(Memory) ×

AFTER(アップデート後)

ChatGPT ChatGPT Plus
費用 無料 有料(月額20米国ドル)
使用できる言語モデル GPT-3.5、GPT-4o GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o
画像・音声認識
画像生成(DALL-E3) ×
高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis)
最新情報の回答(Browse with Bing)
カスタマイズ版ChatGPTの作成と使用(GPT Builder) △(使用のみ)
パーソナライズされた応答(Memory)

制限つきではありますが、アップデート前後で無料版で使える機能が増えたことが良くわかります。各機能で何ができるかについては次章にてご紹介します。

その他、無料版と比較して有料版ChatGPT Plusが優れている点は以下のとおりです。

  • メッセージ回数の上限
    無料版ではGPT-4oで「3~5時間ごとに最大10メッセージ」が上限ですが、有料版ではGPT-4oで3時間ごとに最大80メッセージ、GPT-4で3時間ごとに最大40メッセージを送信することができます(利用がピークとなる時間帯には上限が引き下げられる可能性があるようです)。
    ※参考:OpenAI社ヘルプ情報
    (https://help.openai.com/en/articles/7102672-how-can-i-access-gpt-4-gpt-4-turbo-and-gpt-4o)
  • 言語モデルの学習データ期間
    無料版で使える言語モデルGPT-3.5は【2022年1月までの情報】を学習済みですが、有料版で使えるGPT-4は【2023年12月までの情報】を学習済みです。
    ※参考:OpenAI社モデル情報
    (https://platform.openai.com/docs/models/gpt-3-5-turbo)
  • 優先アクセス
    サーバー(ユーザーの質問に対し処理・応答するコンピュータ)が混み合うと待ち時間が長くなりますが、有料版ユーザーは優先的にアクセスできます。ピークタイムでもスムーズにChatGPTを使用できる可能性が高まります。
  • 新機能への優先アクセス
    ベータ版などの新機能は、有料版ユーザーに向けて優先的に提供されます。最先端のAI技術をいち早く体験することができます。

どんな機能で、何ができるのか?

本章では、どんな機能で何ができるのかを簡単にご紹介します。
無料版でも制限つきで使えようになった機能には(★)マークをつけています。①~④はAll Toolsと呼ばれる機能で、これらはGPT-4oまたはGPT-4との会話を通じて利用できます。機能名をクリックすると、各機能の概要紹介まで移動します。

※参考:Plugins(プラグイン)は2024年3月19日をもって廃止となりました
(https://help.openai.com/en/articles/8988022-winding-down-the-chatgpt-plugins-beta)

①画像・音声認識(★)

※無料版でも利用可能です。ただし画像ファイルを添付できる回数には上限がありますのでご注意ください(7月11日の筆者利用時点では、3回添付で制限がかかりました)

ユーザーはテキストだけでなく、画像や音声※を入力してChatGPTに質問・指示することができます。
※音声入力と音声会話は、スマートフォン版ではiOS と Android、PC版ではWindowsの音声入力(ショートカットキー:Windows+H)またはChrome拡張機能の使用により利用可能です

以下は、画像に描かれた内容を説明してもらった時のものです。画像自体はAdobe Firefly(Adobe社の画像生成AI)で作成しています。

かなり詳細かつ的確に画像を説明してくれます。画像の内容説明の他、OCRのような文字の読み取り、音声による質問の投げかけなど、より多様で直感的な使い方を楽しめます。

画像生成AIは実務で使えるのか~デザイナーがAIの実力を検証!

②画像生成(DALL·E 3)

DALL-Eは「ダリ」と読みます。入力したテキストをもとに画像を生成する機能です。試しにミニチュアダックスフンドの画像を生成させてみました。

さらに指示を出し、画像のテイストを修正することもできます。

例えば「WEB記事で使う挿絵や、資料に添える図を作成したい」「デザインのブレストをしたい」といった際に役立つ機能といえそうです。

なお生成した画像は商用利用可能ですが、OpenAI社の規約を十分に理解した上で使う必要があります。詳しくは連載記事③~使用時の注意点5選をご確認ください。

③高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis)(★)

※無料版でも利用可能です。ただしファイルを添付できる回数には上限がありますのでご注意ください(7月11日の筆者利用時点では、3回添付で制限がかかりました)。また、分析・処理したデータをファイル出力することは無料版ではできないようです

Advanced Data Analysisは、様々なデータをプログラミング言語「Python」を使って分析・処理する機能です。以前はCode Interpreterという名称でした。

試しに架空企業の売上データが入ったExcelファイルを読み込ませてみます。

すると、以下とおりデータ内容を説明してくれます。

さらに拠点ごとの予算達成状況を尋ねると、以下のとおり簡潔にまとめてくれました。

※表で一部のセルを結合していると「データは列が一部未命名の状態」と説明されたり、セルに入った数値(数式の計算結果)が%表記で説明されなかったりする場合があります。ChatGPTが認識・出力しやすい入力・指示を心掛けましょう

他にも、大量データの要約やデータの成形、処理結果の新規ファイル保存など、幅広く対応できる機能です。本機能を使ったより高度なデータ分析事例を知りたい方は、ぜひ以下の関連記事をご覧ください。

ChatGPTで本格データ分析!~事例①:A/Bテストの効果比較
ChatGPTで本格データ分析!~事例②:データ同士の関連性を分析して予測

④最新情報の回答(Browse with Bing)(★)

Browse with Bing は、Microsoft社が提供する検索エンジンサービス「Bing(ビング)」と連携し、ウェブから関連する最新情報を引っ張ってきてくれる機能です。回答の根拠となった参照URLは出力結果末尾のリンクまたは['']から確認できます。

以下の図は、GPT-4o、GPT-4、GPT-3.5それぞれの言語モデルに対して同じ質問を投げかけた結果です。GPT-4oとGPT-4はBrowse with Bing機能により、ニュースサイト記事をもとに最新情報を回答しています。

GPT-4oの回答

GPT-4の回答

GPT-3.5の回答

例えば、特定分野の最新情報を調べたい際などに役立ちそうな機能です。参考URLつきで回答をもらえるので、リサーチ業務が捗りそうです。

⑤カスタマイズ版ChatGPTの作成と使用(GPT Builder)(★使用のみ)

※無料版でも「GPTs使用のみ」利用可能です

GPT Builderは、特定の用途やニーズに特化したChatGPTを作成できる機能です。プログラミングは一切不要で、対話形式でカスタマイズ版ChatGPT(GPTと呼ばれます)を作ることができます。

筆者は太宰治「走れメロス」の文章データを読み込ませて、小説内容に関することならなんでも答えてくれるGPTを作成しました。忘れてしまいがちな主要な登場人物を箇条書きにしてもらったり、物語の特定シーンを描いた画像を生成してもらうことができます。

作成したGPTは自分で使うだけでなく、他のユーザーに共有して使ってもらうこともできます。ChatGPT画面の左側上部にある「Explore GPTs」をクリックすると、他のユーザーが作成した様々なGPT(個々のGPTの集合体をGPTsと呼びます)を探して使用することができます。

GPTsが画期的なのは、入力したファイル情報を永続的に保持できるという点です。
通常のChatGPTではファイルを添付しても一時的な入力情報に過ぎませんが、GPTsでは情報を保持できるため、例えば「特定の業界 or 専門知識に詳しいGPTを作成して、何らかの作業・業務を効率化したい」「業務マニュアルなどを読み込ませて、自社用チャットボットを作りたい」などの業務活用におけるニーズを叶えることができます。

⑥パーソナライズされた応答(Memory)(★)

Memoryは、過去の会話履歴に基づき、パーソナライズされた応答を提供する機能です。

画面右上のアカウントアイコンの「Setting(設定)」>「Personalization」から「Memory」をオンにしておけば、ChatGPTがあなたとの会話で得た情報や好みを覚えて、よりあなたに合わせた回答が提供されるようになります。

※画像はPlusの設定画面です

さらに、「Setting(設定)」>「Personalization」から「Custom instructions」をオンにしてあなたのプロファイル情報を登録しておけば、ChatGPTはその情報も前提に応答するようになります。

これらの機能を使えば、過去の会話をベースに発展した議論ができそうですので、ChatGPTがより良い「業務アシスタント」となりそうです。新しいことを教えたい場合は「Please remember that...(〜を覚えておいて)」などとプロンプトを入力することでより求める形にパーソナライズできます。

まずは無料で始めてみよう

無料版でも使えるようになった機能群をみて、「ChatGPTを始めてみたい」と感じた方もいるのではないでしょうか?制限つきでも多くの機能を試せるようになった今こそ、ChatGPTを始める絶好のチャンスです。まずはご自身のアカウントを作成して、実際に触ってみましょう!

簡単4ステップで完了するアカウント作成/登録手順は、こちらの記事をご覧ください。

ChatGPTを始めよう!アカウント登録/作成手順

有料版にアップグレードする方法

無料版をひととおり試してみて「制限なくChatGPTの機能を使いたい」「画像生成やGPTs作成をしてみたい」と感じた方は、有料版ChatGPT Plusへのアップグレードをご検討ください。

利用料は月額20米国ドルで、日本円でおよそ3,232.13円(1米国ドル=161.61円、2024年7月11日時点)。毎月となると安い出費ではありませんが、本格的に使い込みたい場合は「まずは1カ月だけ試してみる」のもありかもしれません。

簡単2ステップで完了するアップグレード手順は、連載記事②で紹介しています。

無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう② ~Plusへのアップグレード手順ご紹介

ちょっと待って!使用時の注意点5選

ChatGPTは興味深い機能が盛りだくさんですが、使用時に注意すべき点があります。無料版・有料版に関係なく気をつけたい「著作権の考え方」など、重要な注意点を5つ選んで連載記事③にまとめていますので、ぜひご覧ください。

無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう③ ~使用時の注意点5選

最後に

最新アップデートをふまえたChatGPTのご紹介はいかがでしたか?

これまで有料版でしか使えなかった機能が無料版でも使えるようになったことで、「ChatGPTを始める/試してみるなら今」と感じていただけたのではないでしょうか。ただし無料版だとメッセージ回数など諸々制限がありますので、まずは無料版を試してみて、本格的に使いたい場合は有料版に切り替えるのが良さそうです。

筆者は実際に、高度なデータ分析と処理(Advanced Data Analysis)機能を制限なく使ってみたかったため、Plusに切り替えてみました。その結果、今まで「面倒だなぁ」と思いつつ手作業で行っていたタスクの大部分を処理できるのを目の当たりにし、ツールとしてのポテンシャルの高さを感じました。

ちなみに、データ分析機能を使うにあたってはPythonの知識があった方が良さそうです。なぜならChatGPTのデータ分析(Advanced Data Analysis)環境はPythonで構築されているため、中の仕組みに通じていた方が的確な指示をしやすい(求める回答を得やすい)からです。筆者はライブラリなどPythonの基礎知識がなかったため、良いプロンプトを書けていなかったのか、途中で何度もエラーが帰ってきました。

インソースデジタルアカデミーでは、ChatGPTやPythonに関する研修ラインナップを豊富にご用意しています。ぜひ、学びの第一歩にご活用ください。

※上記研修の受講体験記はこちらからご覧いただけます。

ますます進化し、民主化していく生成AIの世界。ぜひ無料版から触ってみて、ご自身の業務に取り入れてみてくださいね。

無料版でも有料版でも!ChatGPTを使おう

連載記事①~どんな機能で何ができる? ★現在の記事
連載記事②~Plusへのアップグレード手順ご紹介
連載記事③~使用時の注意点5選

※本記事は2024年10月18日現在の情報です。

おすすめ公開講座

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