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2024.07.11

2025.02.19

宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造①~SXとは?

※この記事内容は

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宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造①~SXとは?

*がついている用語は、マウスオンすると解説文章が表示されます。

DX(デジタル)の次は、SX(宇宙)!

皆さんは「SX」 という言葉をご存じでしょうか?
SXとはSpace Transformation(スペース・トランスフォーメーション)の略で、「宇宙空間における活動を通じてもたらされる経済・社会の変革※」のことです。

※出典:内閣府ホームページ「宇宙基本計画(案)」
(https://www8.cao.go.jp/space/comittee/dai105/siryou2.pdf)
※DXと同様、Transformationを「X」と略しています

DX(デジタル・トランスフォーメーション)が社会や産業を大きく変革してきたように、今後はSXが世の中を変える引き金になるのです。

宇宙はすでに、私たちと密接につながっている

「宇宙」と聞くとSFの世界を想像しがちですが、実は宇宙技術は私たちの生活やビジネスに密接に関わっています。

例えば、人工衛星ロケットを使って宇宙空間に打ち上げられ、地球のまわりを回っている人工物のことによる通信人工衛星を用いた通信としては、衛星電話、イーロン・マスク氏のスターリンク(衛星インターネット)などがありますBS・CS放送人工衛星を使ったテレビ放送。BSとCSでは使用する衛星がそれぞれ異なりますGPSGlobal Positioning Systemの略。人工衛星を使って位置を特定するシステムのことによる測位、気象観測など・・・。いまや宇宙技術は幅広い産業に組み込まれており、私たちの安全・安心な生活に欠かせないモノになっています。そしてこれからも、宇宙から得られるビッグデータはビジネスの貴重な「タネ」であり、数多くのヒントが隠れていると言えるでしょう。

次章では、そんな宇宙ビジネスの最新トレンドをご紹介します。

宇宙ビジネス最新トレンド:1兆円規模の支援

2024年、内閣府主導で総額1兆円規模の「宇宙戦略基金」が創設されました。民間企業や大学などが、長期的に宇宙の研究開発に取り組めるようにJAXA(宇宙航空研究開発機構)経由で交付されます。

背景にあるのは国際的な宇宙開発競争の激化です。米国の民間企業による宇宙開発の進展や、中国の宇宙ステーション建設など、世界では各国が競って宇宙技術力を強化しています。 日本もこの潮流をふまえ、宇宙技術力の革新と底上げを目的に基金を創設したのです。

※出典:内閣府ホームページ「宇宙戦略基金について」
(https://www8.cao.go.jp/space/kikin/siryou1-1-1.pdf)

こうした国家の資金投入も始まっている中で、実際にどのようなSX、宇宙ビジネスが生まれているのでしょうか?次章からはSXの具体事例をご紹介します。

SX事例①:水道管の健康診断(整備効率アップ)

日常生活に欠かせない水資源。その安定供給を支える水道管のメンテナンス、特に漏水箇所の修理は、水道局にとって重要な課題です。

従来は、作業員が夜間に地上を歩いて、地中の音を確認しながら漏水箇所を特定するという、非常に手間と時間がかかる方法がとられていました。しかし、宇宙から地球にアプローチすることで大きな変革がもたらされます。

ある民間のベンチャー企業は、人工衛星が測定した地表の温度データなどをAIで解析することで、漏水箇所だけでなく漏水リスクのある箇所まで特定できるようにしました。そして、それらの解析情報を水道局に提供することで、メンテナンス作業の大幅な効率化を実現させたのです。2024年3月に登場したこの画期的なサービスは、東京都水道局をはじめ複数の自治体に続々と導入されています。

※:内閣官房ホームページ「デジタル田園都市構想 Digi田(デジでん)甲子園2023」
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/honsen/2023/0021.html)

SX事例②:最適な漁場の提案(漁獲量の予測精度アップ)

近年、地球温暖化が進行する中で、水温の変化に伴い魚介類の分布域も大きく変化しています。特にサンマはその顕著な例と言えるでしょう。従来の漁場では漁獲量が減少しているため、魚が集まる新たな漁場を探さなければならない事態になっています。

そこで、ある民間のベンチャー企業(事例①とは別の企業)は、人工衛星から得られる水温や潮流、気象情報などのリアルタイムデータを活用しました。これらのデータをもとに、広範囲の海域における状況を可視化し、AI解析によって魚介類の移動先(最適な漁場)を特定しやすくしました。漁業者はこのサービスを使用することで、漁業の効率化と漁獲量の予測精度を向上させることができるのです。

ご紹介した2つのSX事例では、いずれも「宇宙から地球を観測(リモートセンシング)し、この大量のデータを大容量通信で地球に送り、AIを用いて解析する」という点が共通しています。地球から宇宙を観測するのではなく、宇宙から地球を観測することで得られたビッグデータを、新たなビジネスに活用しているのです。

宇宙による新たな価値創造に向けて

かつては専門家の領域と思われていた宇宙の活用が、身近なものへとなりつつあります。

宇宙は、地球上のさまざまな課題を解決する新たな挑戦の舞台となる可能性を秘めています。
SXは今後、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に続いて、経済・社会に大きなイノベーションをもたらす注目トピックになっていくのではないでしょうか。

インソースデジタルアカデミーはこの動きを的確に捉え、公開講座プログラム「(半日研修)SX(スペーストランスフォーメーション)研修~宇宙ビジネスと宇宙開発」を開講しました。

SXという新たな価値創造のきっかけに。ぜひお問合せください!

宇宙が未来を切り拓く!?SXによる価値創造
連載記事①~SXとは? ★現在の記事
連載記事②~宇宙開発とICTの歴史

※本記事は2025年02月19日現在の情報です。

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