2024.07.17
2024.11.08
「IF関数」と「IFS関数」で、条件分岐を使いこなす!
- 文字で構成されています。
※この記事内容は
今回はExcelのIF関数と、Excel2019から追加されたIFS関数の設定方法をご紹介します。
生成AIも活用しながら条件分岐をマスターし、思いどおりのExcelを作成しましょう!
IF関数の概要
IF関数は、条件分岐を設定するための関数です。
【書き方:=IF(論理式,真の場合,偽の場合)】
「論理式」で条件を提示し、その条件を満たすときに「真の場合」を、満たさないときに「偽の場合」を結果として表示します。以下に簡単な例をご紹介します。
真の場合:点数が80点以上であれば「合格」と表示
偽の場合:点数が80点未満であれば「追試」と表示
この条件でIF関数を作ると
=IF(C2>=80,"合格","追試")
関数で文字列を使う場合は" "で囲う必要があります。数字のみの場合はそのまま記入します。
となり、この関数をD列に入力すれば、C列のテスト点数を参照した判定結果が表示されます。
IF関数で3つ以上の条件を設定する
このようにIF関数は、条件を満たす「真の場合」と満たさない「偽の場合」と、2つの分岐を設定しますが、この分岐に条件を追加することで、さらに複雑な条件分岐を作ることができます。
以下に3つの条件を含むIF関数をご紹介します。
・こども 500円
・学生 800円
・大人 1200円
この条件でIF関数を作ると
=IF(C2="こども",500, IF(C2="学生", 800, IF(C2="大人", 1200, "エラー")))
こども料金であれば500円を真の場合として、それ以外の場合をさらにIF関数で分岐させています。このように、関数を複数組み合わせてネストする(入れ子にする)ことができますが、式が複雑になってしまい、後から読み解くことや修正が困難になります。
条件が3つ以上ならIFS関数がおすすめ
複数条件を設定したい場合に便利なのが、IFS関数です。
IFSと複数形になっている通り、ひとつの関数の中で複数の条件を設定することができます。
先ほどご紹介した例(入場料が3種類ある場合)を、今度はIFS関数で設定していきましょう。
IFS関数を使って、3つ以上の条件分岐を設定する
- 関数を入力するセルを選択して、「関数の挿入」をクリックします。
- ダイアログボックスが開くので「関数の分類」から「論理」を選択し、一覧から「IFS」を選択して「OK」をクリックします。
- 論理式1に「C2="こども"」、値が真の場合1に「500」を入力します。
-
論理式1を入力すると、自動的に次の条件を入力する欄が表示されます。
続いて「学生」と「大人」を入力していきます。引数が多くなった場合、右側のスクロールバーを操作して各項目を確認しましょう。「偽の場合」は設定しません。 入力が終わったら「OK」をクリックします。 - 設定したセルにエラーが出ていないかを確認し、問題なければオートフィルで下のセルまでコピーしましょう。
IFS関数を使用する際の注意点
IFS関数を使えば簡単に複数条件を設定することができますが、注意すべき点もあります。
-
使用にはExcel2019以上が必要
IFS関数は、Excel2019で追加された関数のため、Excel 2016などで開くとエラーが返ってしまいます。Excel 2019より前のバージョンで開く場合は使用を避けた方が良いでしょう。 -
分岐が多いと重くなる
IFS関数は最大で128個まで分岐を作成できますが、あまり分岐を多くしてしまうとExcelファイルが重くなりエラーの原因になります。 -
IFS関数よりも適した方法がある場合
例えば、時期によって価格が変動する商品の一覧表を作るとします。
条件分岐で設定することも可能ですが、メンテナンスという観点では、別表を参照して値を表示する「VLOOKUP関数」を使用する方が適した方法といえるでしょう。
業務では複数の人が使うことを前提に、どの方法を採るかを考えましょう。
複雑な関数は、生成AIで作れる
条件分岐や検索を伴う関数は、理屈がわかっていても作成が手間になります。
そんな時は生成AIの力を借りるのもおすすめです。
本記事でご紹介した関数は、以下のプロンプト(指示文)でChatGPTに作成してもらいました。
ExcelのIF関数を使って、C列の数値が80以上なら「合格」、80未満なら「追試」の関数を作って 生成AIの回答 =IF(C2>=80,"合格","追試")
ExcelのIF関数を使用して、C列が以下の条件の時の各金額を表示する式を作って
・こどもの入場料は500円
・学生の入場料は800円
・大人の入場料は1200円 生成AIの回答 =IF(C2="こども", 500, IF(C2="学生", 800, IF(C2="大人", 1200, ""))) 上記でも正常に動きますが、「こども」「学生」「大人」のいずれでも無い場合にエラー表記にするため、今回は一部修正して使用しました。
このように、生成AIの回答に自身の知識を追加することで、より効率的にファイルの作成が行えます。皆さんも是非お試しください。
インソースデジタルアカデミーでは、ChatGPTやPythonに関する研修ラインナップを豊富にご用意しています。ぜひ、学びの第一歩にご活用ください。
※上記研修の受講体験記はこちらからご覧いただけます。
※本記事は2024年11月08日現在の情報です。
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