2024.10.29
2024.11.20
【2024ノーベル賞】ついにノーベル賞受賞!AIの歴史と4度のAIブーム
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ついにノーベル賞受賞!AIの歴史と4度のAIブーム ★現在の記事
AIが科学史に新たな1ページを刻む 人類に大きな貢献、一方で脅威とリスクも
2024年のノーベル物理学賞と化学賞に、AI分野の研究者が初めて選ばれました。AI研究はどこから始まり、どのように発展してきたのか、その歴史について解説します。
第1次AIブーム AIの誕生
総務省の「情報通信白書」によると、AIの歴史には3度のブームがあったとされています
ルールをベースに解決策を探る
AI(人工知能)という言葉が初めて登場したのは、1956年に開催されたダートマス会議でした。第1次AIブームと呼ばれる初期のAI研究は、人間が指定したルールに基づいて目的達成のための手順や選択肢を調べ、最適な解決策を見つけ出すものでしたが、当時のコンピューターの性能は乏しいもので、簡単なパズルやゲームの域を超えないものでした。実用化されることはなく、「冬の時代」を迎えます。
第2次AIブーム 再びAI冬の時代へ
コンピューターの性能向上とともに、専門家の知識をコンピューターに学習させた「エキスパートシステム」が登場し、第2次AIブームを迎えます。しかし、学習させるデータの入力に非常に多くの労力がかかるなどの課題があり、再び「冬の時代」となってしまいます。
一方で、今回ノーベル物理学賞に選ばれたジョン・ホップフィールドらの研究に代表されるニューラルネットワークの理論が登場しました。これは脳の神経回路をモデル化し、記憶や認識のメカニズムを説明するもので、現代のAIの基礎となったともいえる理論です。
第3次AIブーム 機械学習の進化
2度目の冬の時代を経て、インターネットが普及した2000年代に入ると、データの流通量が飛躍的に増大、コンピューターの処理能力も向上し、機械学習コンピュータにたくさんの情報やデータを使って学ばせる方法のこと
画像を見分けたり、数字のパターンの予測に使われますが進化、第3次AIブームを迎えます。中でも、同じく今回物理学賞を受けたジェフリー・ヒントンが深層学習(ディープラーニング)の技術を確立したことで、AIは飛躍的な進歩を遂げました。
ディープラーニングの登場
ディープラーニングは機械学習の一部ですが、従来の機械学習がデータの見分け方を人間の指示によって行うのに対し、AI自身がみずからデータの特徴を見抜いて自動的に学習することができます。特に画像認識コンピュータが画像や写真を見て、「これは何か?」を判断する技術のこと。
例:スマートフォンの顔認証、車の自動運転や自然言語処理コンピュータが人間の話す言葉や書かれた文章を理解して、意味を考えたり、返事をしたりする技術のこと。
例:翻訳アプリ、チャットボットの分野で、AIは革新的な成果を生み出し、自動運転や医療診断レントゲンやCT画像などの画像データから病気の発見・診断するのに利用される技術のこと。など、さまざまな産業での利用が広がっています。
囲碁AI「AlphaGO」の開発
この流れの中で、2016年にAIがプロの囲碁棋士に勝利し、AIが人間を超えたとして大きな話題になりました。このAI「AlphaGO」を開発したDeepMindは、その後たんぱく質の三次元構造を予測するためにAIを利用し、ディープラーニングを活用して2020年に画期的な成果を出しました。
この功績に対し、DeepMindを率いたデミス・ハサビスやジョン・ジャンパーが、2024年のノーベル化学賞を授けられることとなったのです。
第4次AIブーム 生成系AIの時代へ
2022年、OpenAI社による生成系AI「ChatGPT」が登場します。生成系AIとは、ディープラーニングの基盤技術を活用し、テキストや画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称です。いまでは多くの企業が生成系AIを開発し、現在は「第4次AIブーム」に入ったといわれています。
知的活動も含めて人間の領域がAIによって代替されうるという現実は、人類文明に大きなインパクトを与えています。一方でAIにより大きな経済効果も生まれており、生成系AIの市場規模は2027年に1200億ドルになるともいわれています。
まとめ
非常に急速に発展したかのように見えるAIですが、20世紀には様々な試行錯誤や「冬の時代」もありました。その中で地道な研究を続けた人たちがいたからこそ、現代のAIの隆盛を迎えたのです。AIが人間を超えるという脅威論もありますが、これからも人間の知恵によってAIを活用していくことが大事だといえるでしょう。
※本記事は2024年11月20日現在の情報です。
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